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概要

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もう一度みたい?あの映画●?もう一度みたい?あの映画●?13小室明男?[物語]リビー(B・デイヴス)とセーラ(L・ギッシュ)の姉妹は長い人生のほとんどを一緒に過ごしてきた。毎年夏の間、彼女たちはアメリカ・メイン州の小さな島にあるセーラの別荘に滞在する。そこの入江には八月になると鯨がやってくる。少女の頃、二人は幼なじみのティシャと三人でよく鯨を見に駆けて行ったものだった。しかし、それも遠い昔のことになった。セーラは第一次世界大戦で逝った夫の写真に、今も話しかける。あの頃、俗福だったリビーは、若くして未亡人となった妹の生活を助けてくれた。そのリビーが夫に先立たれ、目が見えなくなってからは、セーラが姉と二人の人生を背負うようになった。リビーはわがままになり、言葉に刺を持つようになっていた。人に頼らなければ生きてゆけない自分に腹を立てていたのだ。生き生きと家事をこなし、庭に出て絵筆をとるセーラを、用もないのに一日中呼び立てるリビー。大きな見晴らし窓を作ろうというセーラの提案にも、彼女は応じなかった。ある日の午後、老大工のジョシュアが家の修理に来ていた。やはり未亡人になっている陽気なティシャがお茶に訪れ、近くに住む元ロシア貴族のマラノフ氏は、日課の釣りの帰りに獲物を届けてくれた。さりげなくいたわりあう老人同士の会話にもリビーは決して溶け込もうとせず、彼らと交流するセーラにいらだちを隠せない。セーラは魚のお礼にマラノフ氏を夕食に招待する。リビーは反対したが、セーラはドレスに着替え、盛装して訪れたマラノフ氏を迎える。彼は摘んできた花を捧げ、セーラに賛辞を贈った。二人は昔話に時の経つのを忘れるのであった。だが、流浪の人生を送ってきたマラノフ氏をリビーは警戒し、傷つけてしまう。夜の海に光る月に別れを告げ、彼は去って行く。セーラは亡夫の写真を前に、グラスにワインを注ぎ四十六回目の結婚記念日を祝う。リビーと暮らす自信を失っていたセーラは写真に向かって「あなたが生きていれば…」と呟くのであった。翌朝、セーラは、今年の冬は島で一人で過ごすつもりだとリビーに告げる。そこへ突然ティシャが不動産屋を連れてやって来た。ティシャは、この家を売って、自分の家で二人で住もうとセーラに勧める。しかし、セーラは彼らを追い返す。置き忘れた道具を取りに来たジョシュアに、リビーは見晴らし窓を作ることに決めたという。嬉しそうにセーラは微笑んだ。セーラとリビーはしっかりと手を握りあい、岬へ歩いて行った。1987年・イギリス映画(91分)監督/リンゼイ・アンダーソン出演/リリアン・ギッシュ、ベティ・デイヴィス、ヴィンセント・プライス八月の鯨連載老姉妹の心情を淡々と描く俳優自身の人生が重なる70