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概要

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日が昇り、オギとヨシの穂が色を染めた。左は筑波山連載渡良瀬の色4堀内洋助湿地に広がるヨシとオギの穂が秋の深まりを告げる。ヨシの穂は淡い褐色でオギは白い。近年、乾燥化で白いオギ群落が増えてきた。遊水地は湿地帯なのでススキは生えない。特に朝日を浴びて色を染める一瞬は実に美しい。10月に入ると、川霧がわく日が多くなる。無風で冷え込み、晴れという条件が必要だが。ヨシ原に漂う川霧は日本の原風景の1つだ。シラサギの群れが朝霧に包まれる光景には、いつも心癒やされる。昼間はいわし雲やさば雲など秋の雲が現れ、夕焼けに染まる情景に魅了される。秋はカケスが山から平地に移動する。冬鳥のカモやタカ類は秋の深まりとともに数を増していく。渡良瀬遊水地は日本で越冬する渡り鳥の重要な生息地。とりわけ絶滅危惧種チュウヒは40羽にも。広大な湿地は野鳥たちの楽園なのだ。1日600円のレンタサイクルで渡良瀬の風を感じながら、ヨシ原を回ることが至福に感じる季節を迎えた。03[堀内洋助]東京新聞写真部部次長。日本新聞協会賞を受賞した写真企画「渡良瀬有情」と「冨士異彩」の取材班で中心メンバーとして活躍。昨年夏から渡良瀬をテーマにした「再生の原風景」を1年間連載。この秋、写真集「再生の原風景」として東京新聞出版部から刊行。野鳥撮影がライフワーク。毎週木曜日に「探鳥」を連載して17年目になる。58歳。