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概要

shimotsukebook

53前日光県立自然公園の薬師岳・夕日岳・地蔵岳を源流として、千せん姿し万ばん態たいの滝や淵を有する東沢、大芦川の景観は、春夏秋冬いつ訪れても浮うき世よの垢にまみれた心身を癒してくれる。春、雑木林の芽吹きも様々で、赤や黄色も混じることから「春もみじ」と呼ばれている。夏、使い込まれた獣道に誘われて前進を続けると霧の固まりが梢にまとわりつく。秋、秋極まれば絢けん爛らんの輝きが顔面に照り返し、体まで火ほ照てってくる。冬、山さん気きがごく自然に心の穢れや雑念を払ふっ拭しょくしてくれ、空の碧あおさが何とも心地良い。十一月、水みな面もに深秋紅葉が流れの速さによって様々な波紋を見せてくれる。大芦川ブルーが一ひと際きわレッドやイエローを取り込み、得も言われぬ美しさを醸かもし出す。シャッタースピードの設定が難しい。早くても、遅くても、面白い波紋を写し撮るのはなかなかだ。こんな大芦川に通い始めて二十年。その間ダム建設に反対、地元の人達の仲間に入り、そしてダム建設中止に追い込んで今年は十周年。十一月三日に地元で記念式が開催される。「源流にて」大芦川の源流に辿り着いた落ち葉が岸辺に茶色の絨毯のように積もり秋の深まりを感じます色とりどりの落ち葉が川面を流れて行きます大きな樹木が川に横たわりその下が深みになっているところに出ましたその時水面に大きな魚がゆらりと動きました心臓がドキッと音を立てますまだ気付かれていません(栃木県自然ふれあい活動指導者)シリーズ斎藤日出世大芦川の彩いろどり(鹿沼市)22〈鹿沼市文化祭詩部門・奨励賞受賞作〉